World-X ワールドクロス
□World-X第一幕
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プロローグ
もう場所は分からないけど、どこかの研究所、君と出会ったのはそこだった。
「……お前の名前は?」
研究員を全員倒してやっと口を開いたキミの第一声はそれだった。
「人に名前を聞くならまず自分からじゃないの?」
殺されるかもしれないのに君は怯えもせずに言った。
「……勝手に決めろ。
名前なんて意味はない」
そう言ってキミはボクの隣に腰かけた。
「今から俺はこの研究所をぶっ壊す。
お前はどうする?」
今までの奴らは問答無用で逃がしてたのになぜか俺は君の意見を聞こうとした。
「……ボクも手伝うよ。
この研究所には大きな借りがある」
不思議と怖くなかった、だからボクは一緒に戦おうとした。
「お前、名前は?」
「キミと一緒、覚えてない。
でも名前なんて意味ないでしょ」
「……それもそうだな。
んじゃよろしくな」
差し出したその手を……
ボクは掴んだんだ。
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