糸が魅せる

□練習
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お兄ちゃんがストロング石島に勝ったぜイエーイ!
その効果で入塾希望者もいっぱい!
遊勝塾もこれで安泰だね!!









何てことが起こるはずもなく。


「どうしてペンデュラム召喚ができなかったんだろう……」


デモンストレーションでペンデュラム召喚が発動せず、お兄ちゃんは柚子ちゃんに見事に負けました。
入塾希望者もいなくなりました。
……で、でもお兄ちゃんのファンが塾に入ってくれたよ!!

まあ、それも前のお話、今の私は学校帰って家で勉強会だけど!!


[憶測でしか無いですが、あの時の榊 遊矢のペンデュラム召喚は条件を満たしていなかったのかもしれません]

『(条件を満たしてない?)』

[レベル4のモンスターを二体揃えてもエクストラデッキにランク4のモンスターがいなければ召喚出来ません。
榊 遊矢のデュエルを見た限りペンデュラム召喚の準備は整えていました。
恐らく出せるモンスターがいなかった可能性が高いです]

『(出せるモンスター?)』

[最初に見たペンデュラム召喚を思い出してください。
最初の榊 遊矢はスケール1の「星読みの魔術師」とスケール8の「時読みの魔術師」でペンデュラムスケールをセッティングしていました。
それによりレベル2から7までのモンスターが同時に召喚可能。
恐らくスケールの間の数字が召喚可能となった……と仮定します]


日織言われて思い返す。
確かにそんなことを言ってたようなやってたような……


[そしてあの時使われたのはスケール4の「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン」とスケール8の「時読みの魔術師」です。
その間の数字は5から7、上級モンスターを持っていたなら召喚出来たかもしれませんが、
恐らくその時の榊 遊矢は手札に上級モンスターがいなかったのでしょう、だからエラーが起こった]

『なるほど……じゃあ、私それをお兄ちゃんに教えてくる!』

「ダメです、勉強会から逃げようたってそうはさせません」


部屋を出ようとした絆音は扉に手を掛けたまま動きを止め、
日織の口調で言葉を発した。


[いや、止めるために体の主導権奪うなよお前…… ]

「明らかに逃げる気満々だったのでつい奪ってしまいました。
絆音、表に出ますからいいですね」

[じ、事後承諾!]


日織は丁寧で慎重そうに見えて案外大雑把だ。
大雑把と言うか細かいことを気にしないと言いますか……それは大雑把か。


「それにこれは榊 遊矢が自分で見つけなければいけないことです。
外野の私たちが口出しすべきではありません」

[うぅ〜〜]

「……まあ、この際そんなことはいいです。
絆音、ちょうどいいのでデュエルをしましょう」

[ええ!?]

「勉強会の延長です、いきますよ。
結梨、審判お願いします」

[あいよー]

「絆音、覚悟は出来てます?」

[で、出来てます……]



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