Long story

□僕はこの夏恋をした5
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次の日の朝、僕らは昨日の先生に呼び出された。



『僕はこの夏恋をした』



[サボるのはまだしも、逃げるとはどう言うことだ!ましてやお前らは生徒会会長と副会長だろ!]
「……」
「……」
[もっと自覚を持ったらどうだ!]
「…すみません」

と僕は謝った。その方が丸く収まる事を知っているからだ。それなのに竜崎はと言えば。

「……」
[おい、竜崎]
「…何ですか」
[聞いてるのか]
「どうでしょうね」
[おまっ、ふざけてるのか!]
「そうでもありません」
[ふざけるな!!]
「先生、少々声が大きいのでは?他の教員方に迷惑ですよ」
「ぬぬぬ……誰のせいだと思ってる!!」

といった感じで、堂堂巡りなのだ。仕舞いには、

[もういいっ、早く教室に戻れ!遅刻するぞ!]
「私達が遅刻しそうなのは誰のせいだと思いますか?」
[うるさい!!]
「先生、声が…」
[くぅ〜〜っ]

と、竜崎が勝ってしまう始末だ。まぁ、勝ち負けの問題ではないのだが……。でも、先生にそう言う竜崎をカッコいいと思ってしまう僕は余程重症のようだ。

「竜崎、もう良いだろ?失礼しました」
「…失礼しました」
[早く行け。あ、夜神、竜崎、今日も生徒会あるからな、忘れるなよ。特に竜崎]
「何で私なんですか…」
[当然だろ]
「…私が…当然…」
「ぶつぶつ言ってないで早く行くぞ!失礼します!」
「………ます」

何か言いたげな竜崎を職員室から引き摺りだすと、その時チャイムが鳴った。

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