Long story
□僕はこの夏恋をした2
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………いた…
『僕はこの夏恋をした』
ドアはガチャッという音を立てて開いた。明けた瞬間風が傾れ込み、涼しい風が頬をすり抜け、走った為火照った体を冷やしていった。
竜崎は汚れるのも気にしない様でそのまま寝転がり、両腕を後ろで組んで枕にして学ランを頭の上に被せて日除けにして寝ていた。
竜崎を見た瞬間、何時もみたいに胸がドキッとした。
「(また、だ)」
こんなにドキドキしてると、僕は病気なんじゃないかと思えてくる。だが、特に体に異状はないので気にしてはいない。思えば、これは竜崎に対してでしかならないのだ。
竜崎に近づいていってダメ元で「竜崎、」と呼んでみたけど、やっぱり起きなかった。
こうなったら最終手段に出るしかないか……。
僕は竜崎の学ランに手を掛け、そのまま引っ張った。
バサッ
「竜崎起きろ!」
「!!……んっ、」
竜崎は驚いたような顔をして、目を明けたが直射日光が眩しい様で、片手で目を隠し、
「…眩しいです……」
と言った。
そんな姿にもドキッとする。
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