Short story

□僕はこの夏恋をした14
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マットSide

あー…

ニアがすっごいL見てるよー…。そんなに見てちゃ、バレるよ?

多分本人は無意識なんだろうけどさ。でも…

ちょっと気に食わない。

俺の方見てよ。

「おい、ニア」
「……何ですか、マット」

ニアに話し掛ける。

「お前、Lの事、好きだろ」

ほら。

ニアは顔を赤くしてLから目を離した。ちょっと得した気分。
幾分かスッキリする。

Lの事は嫌いじゃないけどさ。これとそれとは別。

そのまま一言二言喋ってたら、そのLに注意された。

……失敗(シクジ)った。
ニアにすっごい睨まれた。

でも顔赤くしてそんな事しても、誘ってるだけにしか見えないよ?

ま、こんな所で襲うほど欲求不満じゃないけどさ。

今度はメロから声をかけてきた。

「…お前、…ニアの事……す、好きだろ?」
「え?…好きだけど?知らなかった?」
「……っ、…」

へー、知らなかったのか。

「……メロも好きなんでしょ?」「……!」

…まるで知られてたのかって感じの顔だな。

でもメロ、分かりやすいもん。

「大丈夫、誰にも言わないから。…でも」
「……?…」
「いくらメロでも、譲らないから。覚えておいて?」
「………」
「お互い頑張ろ」
「………」

これは本気。

お互い励まし合うけど、譲る気もない。

――どっちが先に手に入れるか――

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