Short story
□愛の形
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そんな事よりも。
「……月くん、どこかで頭でもぶつけてきたんですか?良く考えてください。私は男です。男の私がどうして貴方にチョコをあげないといけないのですか?」
「知らないのか?竜崎。今年流行の『逆チョコ』ってやつ」
「……」
……それは男性が女性に渡す事じゃないのか?
“おい月、それって男が女に渡す事じゃないのか?”
「(黙ってろ死神)兎に角!期待してるからね?」
「……っ、…」
急に耳元に近づけて吹き込むようにそう言うもんだから、体が強ばってしまう。
……しかも顔が赤くなるのを感じた。
「クス…竜崎可愛い。それじゃあ、先行ってるよ」
「……」
“おい月、お前マジで貰えると思ってるのか?”
「(当たり前だろ、リューク。見なかったのか?あの竜崎の顔。真っ赤だったじゃないか)」
“ククク…まぁ、明日楽しみだな、月”
「(あぁ……楽しみだよ…ククク…)」
“(ウホッ……月の顔やべぇ)”
その時の月の顔はこの世のものとは思えないほどの顔だったという……。
続く
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