Long story

□僕はこの夏恋をした3
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「……」
「……」

無言。少し気まずい…

[あっ、竜崎!!見付けたぞ!]
「「!!?」」

後ろから先生が凄い形相で走ってやってくる。あれは僕に竜崎を探してくるように言った先生だ。

「竜崎…っ、」
「…逃げますよ!」
「えっ!?」

竜崎はそう言うと僕の手を掴んで走った。


ドキ……ッ


竜崎に掴まれている手が熱い。心臓がドキドキしている。走っているからではない。
今までとは比べものにならないくらいに……

[まて〜!竜崎!夜神も止まれ!!]
「止まったらダメですよ、夜神くん」

走りながら僕にそう言う竜崎はとてもきれいで。何故か一層僕の心臓は高鳴った。

「夜神くん?」
「……うん」

まだ追い掛けてくる。先生の4、5メートル前に僕らが走っている。

[まて〜!]
「此処で待つ人なんて居ないと思いますが?」

走りながら先生にそう言う竜崎。確かにそうだ。

[授業をサボったのはお前だろ!!]
「そんな理由で追い掛けてきているんですか?」
「だから屋上で言っただろ…」
「…成る程」

どうやら納得した様で。
すると竜崎がギュッと手に力を入れてきた。

「えっ、ちょ、竜崎……っ、」

僕の心臓は破裂しそうだ。

「しっかり掴まっていてくださいね」

そう言うとさらに走るスピードが速くなった。

[ま、まて〜〜!]

先生の叫び声が廊下一面に響いた。

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