Long story
□僕はこの夏恋をした3
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「ミ、ミサ!急にビックリするじゃないか」
「ごめんなさぃ〜っ」
竜崎の話を遮って急に僕に飛び付いてきたのは隣のクラスの弥海砂だった。ミサは何時も僕のことを見かける度にこうして飛び付いてくる。だから毎回ビックリさせられるのだ。
流石の竜崎も驚いた様で、目を見開いている。
「(!竜崎のこの顔、初めて見た……)」
何時もポーカーフェイスを崩さない竜崎の違った顔を見るのは初めてで、新鮮で……またドキドキした。
「(何でまたドキドキしてるんだ!?)」
「月?」
「えっ!?」
「どーしたの?」
「い、いや何でもないよ……。」
ぼーっとしてしまっていたようだ。竜崎の方をチラ見すると、もう何時ものポーカーフェイスに戻っていて、ホッとする。
「じゃあ、そろそろ行くよ」
「分かった!話の邪魔してゴメンね。バイバーイ、月ぉ〜!」
ミサは去っていった。
「やっぱり大変ですね」
「あぁ…だからさっきあんな事言ったのか」
「それに私なんかの相手もしています」
「ハハ…」
「大変でしたら私なんて放っておいても良いんですよ?」
何でそんな事を言うんだ?
「そんな事思ったことないよ。竜崎と話すの楽しいし。第一僕らは生徒会で繋がりがあるんだ。まぁ、ミサは大変だけど」
これは嘘ではない。竜崎と居ると本当に楽しいのだ。
「そう言って頂けると助かります。私も夜神くんと話していると楽しいです。……私の初めての友達ですから」
……チクン
何だ…?今、胸が痛かった。何で……?
「(……友達ですから、か…)…そうだ、な………」
「…はい」
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