Long story
□僕はこの夏恋をした2
2ページ/3ページ
「こんな所で寝てるからだろ」
「…私の勝手です…学ラン、返してください」
竜崎はまだ頭が覚醒していない様で、寝呆けたような声で話している。うぅ、胸が……
「じゃあ起きれば良いだけの話だろ」
「嫌です」
「…」
駄目だコイツ…早く何とかしないと………
「起きたら返すから」
「返してくれたら起きます」
「…」
これほど人を殴りたいと思ったのは初めてだ……
「分かった、返すから起きろ」
と言って学ランを返した。
返したのに、
「はい分かりましたありがとうございます」
と言って竜崎はまた寝ようとした。
「…………おい竜崎」
「……冗談です」
僕の声色が変わったのが分かったのか、竜崎は素直に起きて床に体操座りをした。
「起きるなら最初から起きれば良かったんだよ」
「はいそうですね。すみません」
「…」
コイツ…絶対に悪く思ってないよな……
.