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□金鞠
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私の可愛い子よ


ずっと側にいておくれ


そっと触れさせておくれ


その蕾はどんな味か教えておくれ






「姫様はなんと美しい」


当たり前だ


「比べようの無い美しさ」


比べることさえ罪だろう


「良いご縁談があることでしょう」







行かせるものか










「あのぶよぶよした蛙」



お前が泣いたその瞬間



私のどこかが痺れていた



確かめるように



意図したわけではない



「それは姫が悪い」



「約束は守りなさい」



震える私の可愛い子



「一緒に食事をとりなさい」



涙はこぼれて悲鳴の様に



「一緒に寝るんだ」



私は当たり前のように言う








意図しているのかわからない



今まで恵まれてきた



私がそうしてきた



それは



簡単に



辱しめを受けられるように








美しく歪め









私はいつしか果てていた








私の可愛い可愛い子





明日はどうして泣かせよう








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