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□玉
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その玉を手に入れた者には幸福が訪れるだろう











「ぎっ玉を手に入れる!?」



「ああ。」















あの時あなたは驚いていましたね


それから旅立つまでたくさん笑って最後に泣いてくれました



私は幸福になるため

玉を探しに行きました




見つかったら奇跡




私の幸福も奇跡









「君はお金が欲しいんですか。」


「そんなものいらない。」



最後から何回目かに交わした言葉








私にはあなたがいればいい



それが幸福










何度目かの雨季が過ぎたが
玉はまだ見つからない









「死ぬ前にもう一度会いたいですね。」



「すぐ戻ってくる。」







嘘をついてしまった



会いに戻りたくとも
まだ戻れぬ










寂しくてなけば

帰りたいと思っただろう


私はなかないのだ













「いったい何年探したと思ってるんですか。」


「まだ見つけていない。」









目の前に舞い降りた一羽の雄々しい鷲が話かける


私は会えた喜びよりも

まだ玉を見つけられていない恥ずかしさが勝ち目を反らす








「今から玉を見せてあげましょう。」


「無理だろ。」



得意気な顔をして
あなたは私を背中に乗せる



何べんも羽ばたき



雲の上にまで来た














「綺麗でしょう。」



「…でかすぎる。」












青く綺麗な玉は

私の目玉に食らい付く













「君の願いは何だったんですか。」



「…言わない。」









きっと今が幸福だから






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