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□白雪
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母の面影を鏡に見る


父は目の前面影見合う


新しい母は美しい


母はどうだったのか


綺麗な新しい母


父はのめりこまず


私は惑う


新しい母のお気に入り


大鏡の前微笑むと


悪魔の鏡は話し出す


美しさを契約しよう












そっと



気づかれぬよう


私は美しくなり


新しい母は老いていく


まるで日に日に新しい母の美しさを


私が奪っている様



もしかしたら


私は美しくなる運命だったのかもしれない



鏡に騙されたのかもしれない









鏡との契約


私は美しくなる


代償は


鏡の主に殺されること



美しい人に命奪われる


恐ろしく


魅惑的






鏡は


主より私が美しくなることを


知ってしまった



悲しむ主を見たくない


私も歪む美しさを見たくない


二つの意思がいやに歪み


重なり


思いを遂げる






男に連れられ


森に行く


私は焦る


私はお前などには殺されない


美しくなく


ましてやあの人ではないのだから



けれど男の依頼主


美しい人


あの人を


悲しませるのは狂おしく






少し遊べば


主のもとへ


手ぶらで帰る






美しい人


早く来て
















仮の住まいは狭すぎて


美しい人似合わずに


きっと来ないと溜息を


ついても待ちて


恋焦がれ









老いた声が外より聞える


微かに感じるあの人を


窓より見れば


目眩もおこす




美しい人過去のもの


いつしか年過ぎ老いが来る


哀れあなたと震えるも


言われるままに外へ出る


締めるあなたは醜くて


すぐに私の意識は遠のく







目覚めたときには七人の涙と歓声

私は涙















もう一度来たあなたには


声聞くことも辛すぎて


せめて私があなたをと


絶望のこと


一緒にあれ




あなた片手に美しい


赤い宝石差し伸べる


あなたのその手



見るも

聞くも

触るも苦痛



それが死を呼ぶ果実でも


私はあなたを見たくない


だから喜び


受け入れる






あなたはずっと美しく


あってと願うは愚か夢













私の赤さをあたためる


見知らぬ人は


恩人に


たとえ望まぬ結婚も


あの人老いたこの世界


もうどうなるも


受け入れる


苦痛はすでに染み入った







あなたを城に呼び寄せる



私が選んだこの靴を


美しくあるこの靴を


醜いあなたへ捧げましょう


あなたは叫ぶ老いた声


あなたの涙皺へ落ち


これからずっと会えないの





私は嘆く



あなたは昔


美しかった























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