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□指姫君
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醜い蛙は拐かす



無垢な少女は知らぬまま



川面を滑り夢の中



蛙は醜く少女を運ぶ









綺麗なものなど振り向かない



私に似合うは泥の服



可憐な瞳に焦がれても



泥は乾かずまとわりついた



涙を流すも泥まみれ



誰も気付かず見もしない



泥の手握るは自分の片手



両手は己の他を知らぬ









背中に夢見る宝石を



感じながらもおののくは



目覚めしあなたの慟哭よ



泥を脱いでかしずくも



きっとあなたは拒絶する



あなたの瞳を見たくとも



あなたは私を認めない



目覚めるあなたが怖いのです









いっそあなたを取り返す



誰かが来さえと戸惑いも



けれど今だけ私のもの



あなたが逃げ出すその日まで



私は罪を犯すのです






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