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□硝子の靴
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時の鐘が鳴り止まぬ



蒼い闇夜でただ光る



硝子の靴は逃げだした



柔くか細い少女の足は



靴に呑まれて悲鳴をあげた






木々は見ぬふり



月は気づかず



少女は従う硝子の靴に



靴は駆け抜け夜を舞う



森の奥には静かな泉



世間知らずな月を映す



少女はそれを踏み抜いて



硝子の靴は泉のものに










月が泉に視線を落とす



泉は沈黙



夜は深まる





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