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□待ち草
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傷ついた体は誰のもの
学んだ言葉は数あれど
かける言葉一つ無く
あなたを縛る言葉も無く
伸ばした手さえ届かない
見つめる先も奪えない
涙はあなたにしみ込まず
喉をただ枯らすのみ
一言だけを
言いたくて
他の相手に言えるのに
何度も言うのに
何度も体を混ぜるのに
母になるのは容易くて
母を止めるも容易くて
泣き声すらも聞いてやれず
私はあなたを思うのです
汚れた体は自分自身
一つの笑顔に洗われた
救ってくれはしなくとも
微かな夢を抱けるの
私の汚れた声が
綺麗なあなたを壊さぬよう
口を閉じて微笑むだけ
あなたの気づかぬ笑い顔
お願いだから
こちらを向いて
私は何も言わないから
迷惑なんてかけないから
どうか
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