リクエスト小説

□★距離。
2ページ/18ページ




「レオナード、書類出来たで〜?」

「…おう、そうか」

「おうって………アンタ…何、やっとるん?」

「あァ?コレか?」

「…せや」

「マルセルのヤツがよォ、ちゃんと世話しろってうるせェんだよ…」

「だから…花に水、やっとるんか?」

「………ンだよ」

「………ぷ…っ、に………似合わん………!!」

「…しょうがねェだろ、アイツにゃ、俺様も敵わねェんだからよ」

「マルセル様にベタ惚れ、やな〜?」

「………ほっとけ」



少々頬を赤く染めたレオナードを横に、机の上に書類を置くチャーリー。




「でもな〜」

「ン?」

「俺らのやる事、結構大変やろ?ウチはまだあっちの宇宙と違うて、まだまだ不安定なんやし…」

「ま、ソコは適当に、だな」

「アンタ、そうは言うても、ちゃんとこなしとるんやろ?」

「…どうだかな?」

「首座の守護聖なんやし、俺らより大変なんちゃうんか?」

「…どうした、お前?今日はヤケに絡むじゃねェか」

「ん〜…、せやのうてな。思うとったより、甘いもんちゃうんやって感じとるんよ」

「あァ、アイツ、かァ?」

「せや。何だかんだでな、まともに会うとらんのよ…」

「アイツはバカみてェに、真面目だし…だろ?」

「…良く見とるな〜、レオナード。せや、ティムカの性格やったら、手を抜くなんて事有り得んからな〜」

「それで、相手にして貰えねェ、ってか?」

「ホンマ…マジで、キッツいんよ?顔は会わすけどな、それ以外…ちゅーすらさせへんのやで?………なあ、レオナードはマルセル様としょっちゅう会うとるんか?」

「あ?そんなしょっちゅう会ってるワケじゃねェぞ?」

「んでも、休日はちゃうやろ?」

「…まァな」

「ティムカのヤツ、まだまだ勉強不足やって…休日も返上してルヴァ様に本を借りに行ったり、研究院からの資料やらごっそり持ち帰ってやな〜…俺、ちっとも相手にして貰えんのやで…」

「………ソコまでやるかァ?普通…」

「せやろ?!アンタもそう思うやろ?!」

「気の毒、としか言えねェな…」

「ううっ…、俺…可哀相やろ?」

「浮気でもしちまえばどうだ?」

「………へっ?!」

「少しは危機感ってェの、持たせてやったらどうよ?」

「ま…、ちょい待ち!!………流石に、ソレはアカンやろ…」

「何もマジでするコトはねェって」

「…どういう意味やねん」

「それらしく、臭わせるだけでいいんだよ」

「………バレたら俺…めっさ、ヤバイやんけ…」

「お前、案外へタレなんだな?」

「………否定はせえへんよ」

「でも、まァ…そろそろお前だって、ヤバイだろ?」

「………ソコも、否定できひん…」

「だったら、やってみりゃいいじゃねェか?」

「アンタ…人事や思うて、またエライかる〜く言うてくれるな〜?」

「ま、やるやらねェは、お前の自由だがな…」

「………む〜…」










ニヤリと笑いながらウィンクするレオナードを、チャーリーはぼーっと眺めていた。






勿論、頭の中ではかなりの早さで打算機がフル稼働させていた事は、言うまでも無い………。









次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ