リクエスト小説
□★距離。
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「レオナード、書類出来たで〜?」
「…おう、そうか」
「おうって………アンタ…何、やっとるん?」
「あァ?コレか?」
「…せや」
「マルセルのヤツがよォ、ちゃんと世話しろってうるせェんだよ…」
「だから…花に水、やっとるんか?」
「………ンだよ」
「………ぷ…っ、に………似合わん………!!」
「…しょうがねェだろ、アイツにゃ、俺様も敵わねェんだからよ」
「マルセル様にベタ惚れ、やな〜?」
「………ほっとけ」
少々頬を赤く染めたレオナードを横に、机の上に書類を置くチャーリー。
「でもな〜」
「ン?」
「俺らのやる事、結構大変やろ?ウチはまだあっちの宇宙と違うて、まだまだ不安定なんやし…」
「ま、ソコは適当に、だな」
「アンタ、そうは言うても、ちゃんとこなしとるんやろ?」
「…どうだかな?」
「首座の守護聖なんやし、俺らより大変なんちゃうんか?」
「…どうした、お前?今日はヤケに絡むじゃねェか」
「ん〜…、せやのうてな。思うとったより、甘いもんちゃうんやって感じとるんよ」
「あァ、アイツ、かァ?」
「せや。何だかんだでな、まともに会うとらんのよ…」
「アイツはバカみてェに、真面目だし…だろ?」
「…良く見とるな〜、レオナード。せや、ティムカの性格やったら、手を抜くなんて事有り得んからな〜」
「それで、相手にして貰えねェ、ってか?」
「ホンマ…マジで、キッツいんよ?顔は会わすけどな、それ以外…ちゅーすらさせへんのやで?………なあ、レオナードはマルセル様としょっちゅう会うとるんか?」
「あ?そんなしょっちゅう会ってるワケじゃねェぞ?」
「んでも、休日はちゃうやろ?」
「…まァな」
「ティムカのヤツ、まだまだ勉強不足やって…休日も返上してルヴァ様に本を借りに行ったり、研究院からの資料やらごっそり持ち帰ってやな〜…俺、ちっとも相手にして貰えんのやで…」
「………ソコまでやるかァ?普通…」
「せやろ?!アンタもそう思うやろ?!」
「気の毒、としか言えねェな…」
「ううっ…、俺…可哀相やろ?」
「浮気でもしちまえばどうだ?」
「………へっ?!」
「少しは危機感ってェの、持たせてやったらどうよ?」
「ま…、ちょい待ち!!………流石に、ソレはアカンやろ…」
「何もマジでするコトはねェって」
「…どういう意味やねん」
「それらしく、臭わせるだけでいいんだよ」
「………バレたら俺…めっさ、ヤバイやんけ…」
「お前、案外へタレなんだな?」
「………否定はせえへんよ」
「でも、まァ…そろそろお前だって、ヤバイだろ?」
「………ソコも、否定できひん…」
「だったら、やってみりゃいいじゃねェか?」
「アンタ…人事や思うて、またエライかる〜く言うてくれるな〜?」
「ま、やるやらねェは、お前の自由だがな…」
「………む〜…」
ニヤリと笑いながらウィンクするレオナードを、チャーリーはぼーっと眺めていた。
勿論、頭の中ではかなりの早さで打算機がフル稼働させていた事は、言うまでも無い………。
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