リクエスト小説
□勝負の行方。
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「っ!!…んっ………!!」
慣れているオスカーのキスは、ランディにとって甘美なものであると同時に…過去の恋人達の影を否応無く臭わせるものでもあり、複雑な気持ちに落とされる。
唇が離され…真っ赤になったランディがやっと反論する。
「〜〜〜誤魔化されませんからね、俺は…!!」
「あのな…」
「………オスカー様は、ずるいですよ…!!」
「な…?!何で…そこで、お前が泣くんだよ?!」
「そんな…キスで黙らせて、期待させて…卑怯ですよ!!」
「ひ…っ、卑怯って…お前、酷いな…?」
「違わないでしょう、こんなの…俺の気持ちは全て…お構い無しじゃないですか?!」
「まあ、待てよ…。俺が…お前に本気で惚れてるのが、わからなかったか?今の…キスで」
「………わかる訳、ないじゃないですか?!俺、オスカー様とのキス…好きだけど、嫌いなんです!!」
「………何だ、それは…どっちなんだ…」
「言ってくれなきゃ…わからないって言ってるんですよ」
「………」
「俺…俺は、オスカー様の事が…好きです。でも…オスカー様にとって、俺は1番じゃなくて…他に替えのきく、その他大勢の内の1人なんでしょう?」
「………どうした、お前らしくも無いな…」
「俺らしいって…なんですか?!恋人だと思ってた人に拒まれて…それでも笑ってろって、言うんですか?!………酷いです、俺だって…感情あるんですよ…?」
「ランディ…」
「………」
「………うまくいかなくても…」
「…え?」
「………文句、言うなよ?」
「…な…んの、事ですか?」
「俺も…お前も、男相手は初めてだろ?教えてはやれないし…きっとそれどころじゃないだろうから…、な…」
「!!オ…オスカー様?!じゃ…じゃあ、いいんですか?!」
「…そんなあからさまに喜ぶんじゃない…」
「う…う…嬉しいんですよ!!」
「………//」
「大丈夫ですよ、俺…ちゃんと聞いてきましたから!!」
「聞いてきた…って、誰に、何をだ?」
「ルヴァ様に、やり方を、です」
「?!…ル…ルヴァに…何だって?!」
「?…どうしたんですか?」
ルヴァにはいつも大変な目にあっている、オリヴィエの話を聞いていたオスカーは、流石に顔色をなくしてしまっていた…。
「………お前、聞く相手を間違えているぞ?!」
「…へっ?!ダ、ダメなんですか?!」
「………お前の方が若い分…その上を行くかも…しれないな…」
「ど…どうしたんですか、オスカー様?!顔色が…無いですよ!!」
「………お前のせいだ…」
「ええっ?!だ、大丈夫ですよ、ヤってしまえば…なんとかなりますって!!」
「………」
「じゃ、寝室行きましょうか?」
「………」
項垂れるオスカーを嬉々として、寝室へと手を引くランディだった………。
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