リクエスト小説

□勝負の行方。
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「オスカー様、男らしくないですよ?!いい加減、観念してくださいよ!!」

「バカ、ランディ…わかってないな?男だから嫌なんじゃないか?!」

「今更、そんなの言いっこなしですよ、ホント…往生際悪いですって!!」

「嫌なものは…嫌なんだ!!!!」

「…じゃあ、俺と別れますか?」

「………俺と、お前が交代すればいいだけの話だろう?」

「オスカー様?!大体、あの賭けの話も、元はといえば…オスカー様が言い出した事じゃないですか?!」

「う………」

「………いいですよ、そんなに嫌なら…」

「そ…そうか?!や、マジで貞操の危機だったぜ…」

「じゃ。さよなら、です、オスカー様。俺の後すぐに可愛い恋人、見付かるといいですね?」

「………はあ?!何で…そうなるんだよ?!」

「言ったでしょう?それが嫌なら、俺と別れるって!!」

「…俺は言ってないぞ。それに、お前はそれでいいのか?!」

「良いも何も…オスカー様が、俺とするのがイヤだって言うんだからしょうがないじゃないですか!!」

「何も…お前とするのが嫌だって言ってるんじゃない」

「…同じです、そんなの。オスカー様は俺が受けだと勝手に決めていたのが悪いんですからね」

「お前…普通、俺が受けになると…誰が想像するんだよ?!」

「…だから、賭けをしたんじゃないですか、あなたの提案で!!」

「………お前、いつの間にあんなに力を付けたんだよ…」

「オスカー様が俺を…見くびってたのが悪いんです。俺だって…必死だったし」

「………確かに…お前も鬼気迫る勢いだったからな…」

「でも、こうして俺とのエッチをいつまでも拒むって事は…そういう事、ですよ」

「………」

「じゃ、今度は最初から受けの人を探してくださいね」

「………」





ランディが出て行こうとドアのノブを握り締めた時、オスカーがやっとの事で彼を呼び止める。




「…ランディ、待て…」

「………何ですか?」

「…これは…今回だけの、話だろう?」

「………違いますよ」

「…何?!」

「俺は最初からそんなつもりじゃありませんでしたよ。オスカー様だって、それについては言及しなかったし…大体、勝者に決定権が与えられているんですから、これも同じです」

「…!!」

「オスカー様は絶対、ずっと…『受け』ですよ?!」

「な…んだと?!」

「…それだけですか、訊きたい事は…?」

「もし…お前が賭けに負けていたら…、俺に今と同じ事を言われたら、お前は…それを素直に『はい、そうですか』と受け入れられるのか?!」

「…負けは負けですからね。俺は、それでも構いませんよ?それに…俺、そんな事でオスカー様と別れるなんて…絶対イヤですから」

「………」

「でも…オスカー様は、そうじゃないんですよね…。俺は、あなたにとって…取るに足らない存在なんだって…思い知りましたよ…」

「お前な…!!………ったく、厭味な事を言うヤツだな…」

「だって!!…引き止めもしないで…オスカー様、俺との事…本気じゃなかったって事なんでしょう?!」

「誰も…そんな事言ってないだろう?」

「言ってるのと同じですよ…!!否定も、しないんですからね…」

「………」

「…それじゃ、今度こそ失礼します…!!」

「お…おい、待てって…!!」

「何で今更止めるんですか?!離してください、その手を!!」

「ランディ…落ち着けって…」

「…!!誰の…せいだと、思ってるんですか?!」

「わかったから…ほら…」




掴まれた腕を、思い切り引かれ…強引にオスカーに唇を奪われた…。






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