リクエスト小説

□憧れと恋の狭間で。 11/5up
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「…?!チャーリー?!」

「ゴメン、な?俺の言い方が悪かったな…。なあ、ホラ、俺の心臓の音…聴こえるか?」

「…え………?」


ユーイは抱きかかえられているチャーリーの胸に耳を押し当てると………。




「っ…?!すご…、ドキドキ…してる…?!」

「…せや?ユーイの事が可愛くて堪らんな〜と思ったら、途端にこうなってんやで?」



チャーリーの胸から聴こえる鼓動は力強く、そして僅かに早くなっていて…ユーイのそれと、同調しているかのようにも感じられる。





「…ホント、なの…か?」




恐る恐る顔を上げ、チャーリーの表情を窺おうとした瞬間、ユーイの視界が暗転した。




「っ………?!」





………キスをされているのだ、と気付いた時。
不意に唇が離された。




「…ユーイ、口…開けて…?」

「………へ?」



呆然としていたユーイが間の抜けた声で返事をした隙を突き、再びチャーリーの唇がユーイのそれを塞いだ。



「っっっ?!////ん…っ…ふ…ぅ」



キス自体、初めてなのだろう。
戸惑って逃げる舌を絡め捉え、軽く甘噛みしてやるとユーイの体がビクッと揺れた。

抵抗すら忘れてしまっているのか。
チャーリーのされるがままになったユーイは、混乱の極みにあった。





そろそろかな、と漸く解放してやると…さっきよりも更にユーイの魂は抜けてしまっている。




「ユ、ユーイ?!大丈夫…か?」


チャーリーはユーイの目の前で手を翳して振ってみるが、その瞳は何にも反応せず。




「…ヤりすぎたか…?」

「………」

「ユーイ?…もっかい、ちゅーするか?」



チャーリーの言葉にカッと頬を赤く染め、おたおたし出すユーイ。




「なな…、何で…、俺に…!!」

「なあ、落ち着けって?」

「い…っ今のって…好きな者同士がするヤツだろ?!………何で、俺にするんだよ…」



ユーイの瞳からは大きな涙が1つ、また1つ…と後を絶たずに零れ落ちる。



「わわ…っ、な…泣くなって…。あのな、俺はユーイが好きやって…可愛いって思ったから、したんやで?」

「………へ?」

「…なんやねん、それ…」

「…だ…だって、チャ−リー、そんな事…何も言わなかった…ぞ…?」

「ん…?言ってなかったか?」



首を傾げ、記憶を辿っている風のチャーリーに、ユーイも呆れている。



「…言ってないぞ…。ってゆーか、何でいきなりするんだよ?!」

「…だから…」

「!!////もういいっ!!」



ユーイはもうたくさんだとばかりにチャーリーの言葉を遮ると、彼の胸から脱け出すべく押し退ける。



「っ!!ちょい、待ち!!」

「!?」



チャーリーがそうはさせんとユーイの手首を掴んで引き戻す。


「は…離せってば!!」

「…アカンって。なあ…、俺の事…好きなんやろ?」

「………もう、好きじゃない」

「…へ?」

「だから…、もう好きじゃないって言ったんだ!!」

「…マジ?」

「ああ、本当だ!!」

「…あんなにずっと俺の事、熱〜い視線で見てたクセに?」

「う…////」

「…さっきまで、この可愛いお口が…俺に好きって言うたんは…気のせいやったか…?」


そう言ってチャーリーはユーイの顎を親指でグイっと押し上げると、反対の指でその唇をなぞる。



「っ………////!!」


ユーイは真っ赤になって、じたばたと暴れている。



「…折角、やっと両想いになれたって思ったのに、残念やな…。俺の事は、もうどうでもええんやな…?」



チャーリーは寂しそうにそう呟くと、あっさりユーイを解放してやる。








「…ほな、悪かったな?さっきの事は、忘れてくれてええから。…ま、狂犬に噛まれたとでも、思うて…な」




チャーリーは片手を軽く上げ、さっさと部屋から出て行ってしまった。











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