リクエスト小説

□★タイミング。
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「ゼフェル!!ちょっと…話があるんだけど、今いいかい?」


「「?!」」


「え…あ?マルセル、来てたのかい?ゴ…ゴメン」

「あ…、ランディ?…ううん、僕の用は済んだから…。
じゃあ、またね、ゼフェル。…頑張って、ね?」

「っ//////」



マルセルはそう言ってゼフェルに手を振ると、ランディに意味深な微笑みを向け、帰って行った。


「…なあ?マルセルのヤツ、どこかいつもと違うと思わないか?」

「…別に、おめーの気のせいだろ?」


相変わらずつれない返事をする恋人にもめげず、ランディは続ける。


「それで…マルセルはゼフェルに何の用だったんだい?」

「っ………!! ////」

「…えっ?!」


ランディの質問にいきなり赤面してしまったゼフェルに驚く。


「ど…どうしたんだい?!ゼフェル…」

「や…、用があったのは、俺の方だったんだよ」

「………何の?」

「そ………!!それは…、おめーには関係のねー事だよ…////」

「………何でそんなに赤くなってるんだい?すごく慌ててるしさ、…ゼフェル、何か俺に隠してるだろ?」

「!!べ…別に何でもねーって言ってんだろ?!…しつけー男は嫌われんぞ?!」



そっぽを向いてまたカワイくない事を言うゼフェルに、ランディも少しムキになる。

どうあっても言う気の無い恋人に、是が非でも言わせてみせようとしつこく食い下がる。


「ふー…ん?…そうは見えないけどなあ…?」


大袈裟に疑いの眼差しを浴びせながら、ランディはゼフェルの隣に腰を下ろす。


「な…っ、なんだよ?!」


じっとゼフェルの視線を捉えて離さないランディに負けじと、怪訝に睨んでくるが、最早ランディにとっては誘っているようにしか見えなかった。




う………、か…カワイ過ぎるんだよな…この、見上げてくるこの表情………////。



ブルブルと煩悩を払うかのように頭を数回振ると、気を取り直したのか、一転して真面目な顔つきでゼフェルを覗き込む。



「…俺の他に、誰か好きな人…出来た…とか?」

「…はあっっっ?!………っんで、そーなるんだよっ?!」


本当に呆れた顔をして自分を見るゼフェルも、これまた可愛い…などと考えていると………。


「そ…そーゆー、おめーこそなー…?」

「………へ??俺が…何だって?」


ゼフェルの言葉で我に返ったランディはびっくりして聞き直す。


「………………」


さっきとは別人のように気分を害した表情のゼフェルをまじまじと眺めていると、その顔はだんだんと泣きそうな程に歪んでくる。


「ゼ…ゼフェル?!どうしたんだよ?!」


自分がまた無意識の内にゼフェルを怒らすような事をしでかしてしまったのかと、慌てて記憶の糸を辿るのだが…どうしても思い当たる節が無い。

ランディはゼフェルを抱き締めると、彼の背中を優しく撫でながら問う。


「…なあ、俺…またゼフェルに何かやってしまったのかい?」

「………」

「ゼフェル…?」

「………しねーから、ワリーんじゃねーか…////」

「…はい?」

「………」

「あの、ゼフェル?…意味が良くわからないんだけど…。
俺が何かしたんじゃなくて、でも…何もしてないけど、俺が悪いのか?」

「………そーだよ」

「???ι」


さっぱり訳の判らないランディは、必死で何かを言おうとするのだが、これでは何も言う事ができる筈も無い。



「…ダメだ。ギブ。降参。…お手上げだよ………。
一体、何だっていうんだい?」


溜め息を吐きながらゼフェルの背中をぽんぽん、と叩くと、ゼフェルはランディの背に回した手で彼の服をぎゅっと掴んだ。


「………////」


ゼフェルはランディの腕の中で固まったまま、黙りこくっている。
あまりしつこく促してもマズイと思い、ランディはゼフェルが口を開くのを待つ。









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