リクエスト小説
□再会。
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「おはようございます!!セイラさん!!………って、起きて下さいよ?!俺、今朝迎えに行くって昨日あれ程言ったじゃないですか?!」
「………」
セイランは早朝からこの能天気な声で安眠を妨げられたおかげで、機嫌は最高に悪くなっていた。
ベッドの中に更に深く潜り込み、布団に包まる様ににして耳を塞ぎもう一度眠ろうと試みるが………。
「セイランさんってば!!」
大声と共に布団を一気に剥ぎ取られ、ベッドの上には丸くなって耳を塞いだままの格好のセイランがそこに現れた。
「…酷いなあ、耳まで塞がなくたっていいじゃないですか………」
「………ランディ?君は今が何時だか理解しているのかい?まだ夜も明けてはいないんだよ。
全く…、誰がこんなに早く迎えに来ると思うのか、非常識にも程があるよ。…もう少し、考えてから行動して欲しいものだね?」
セイランは瞼を閉じたまま、相変わらず棘だらけの言葉をランディに浴びせる。
「す、すみません…。でも!!俺………」
「…あのねぇ、僕は守護聖になったばかりで、ここの生活にまだ慣れずにクタクタなんだ。悪いけど、君の気紛れに付き合う気はサラサラ無いからね?………ホラ、判ったならさっさと行ってくれないか、僕はまだ寝入り端で眠いんだ…。あ、コレは返して貰うからね?」
そう言ってセイランは起き上がると、ランディの手から布団を奪い返し再びベッドの中に納まってしまった。
「あの…セイランさん、すみませんでした。………俺、ただ…約束を果たしにきただけだったんです。でも、セイランさんの都合を考えなかったのは、俺が悪かったと…思います。
………それじゃ」
約束だって?………………こんな早朝に迎えに来る約束って…?!
ランディが済まなそうにベッドの中のセイランに頭を下げると、寝室から出るべく踵を返したとき。
「…ランディ?!」
不意に後ろから呼び止められた。
振り向くと、ベッドの上に腰掛け、シーツを握り締め俯いたセイランが目に入る。
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