リクエスト小説

□★運命の悪戯。
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「………ティムカ?」






……なんや?何でこんなにヘコんでるんや?
もしや、俺の話が何なのか薄々感付いてるっちゅー事か?

……参ったなぁ。このコは弱くもないけど、強いワケでもないんや。
王族としてのそれ相応の教育は受けてるけど……、まだ普通の少年や。
…別れを切り出されたら…。気丈に振る舞うとは思うけどな、心配なんや。





このコを残して行かなあかんて…。
女王の、宇宙の御意志とはいえ、なんぼなんでもなぁ………。






「チャーリー…。実は、先日…僕のところに、聖獣の宇宙からのご使者の方が……いらしたのです」


ティムカは意を決して、ぽつりと話し始めた。





「……!!な……なんやて?!」




ティムカの言葉を聞いた途端、チャーリーは驚いてティムカの方へ飛んできた。
急激にベッドが上下した為、足の痺れも残っていたせいもあり、その震動でティムカは後ろに引っくり返った。



「ぅわっっ?!」

「っと……ゴ、ゴメンな……?」



チャーリーはすまなそうに自分の足の間にティムカを抱き抱えた。




「ティムカ、ソレな、エトワールとかゆうてなかったか?」

「っ!!!!…な…ぜ、それを…あなたが……?」


ティムカの瞳は驚きの為見開き、瞬きをするのさえ忘れていた。


「……あのな、俺の話も…。ソレやったんや。俺のトコにも来たで?
……炎のサクリアが、あるんやって」


ニカッとチャーリーが微笑み、ウィンクをする。


「あ………。ぼ、僕は…水だと…言っていました」


さっきと瞳の大きさは変わらないまでも、やっと瞬きをする事は思い出した様だ。
上下の睫が重なる度に、綺麗な涙がほろり、と零れてゆく。
チャーリーはティムカの頭を自分の胸に押し付けるかの様にぎゅっと抱き締めた。




「…はぁ〜〜〜、よかった…。
俺ら、別れんでもエエんやな?
んも〜〜めっさ悩んだんやで?ティムカが俺の事忘れへん様にする為に色々考えてきたっちゅーのに……。
ま、いっか。これからは長い間、同じ立場で同じ場所におれるんやから。
ああ、そうすると今よりも条件は随分とエエんとちゃう?」


安心したのか、チャーリーは一人でペラペラと喋っている。



「チャ……チャーリー、…あの……?」

「ん?」


胸元で自分を呼ぶ恋人の顔を覗き込む。


「あの、色々っって…、何を考えてたんですか…?」


瞳を潤ませ、恥ずかしそうに頬を朱に染めたその表情は何とも言えぬ色気が漂う。


「んー……。実を言うとな、ティムカが俺の事忘れられん様な体にしようと思てな。
色々とアイテムを持って来てたんや」




「……………。はぁ?!」

「ま、俺もティムカの事忘れん様にビデオとか写真とかできるだけ残そ思てやな……」

 




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