リクエスト小説

□陽だまりの樹。
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「あのな、大体、オレらみてェなヤツらは宇宙の女王だの守護聖だのって想像もしねェっての。考えた事もねェヤツの方が殆んどじゃねェのか?
お前はどうだ?ここに来る前に、ンな事考えたか?そうじゃねェだろうが」

「あ……。うん…そっか、そうだよね……」

「でも、お子サマの割りにゃ、頑張ってるよ、お前は。ただ、もうちょっと精神的に大人になった方がイイぜ?」


ニヤリ、とマルセルにウィンクをする。


「っ!!なっ、そんな事、レオナードに言われたくないよっ!!
自分だって歳くってるけど、全然コドモじゃない!!」

「ハハハッ、言う様になったじゃねェか、お前。前はすぐベソかいてたクセになァ。変わるモンだな、ガキは」

「だっ!!だからガキって言わないでってば!!」


真っ赤な顔をして怒るマルセルを適当にあしらうと、じゃあな、とレオナードは聖獣の宇宙へと帰って行った。
    










「―――全く、毎回毎回、何しに来てんだろ?あんなんで本当に主座の守護聖が務まるのかな?ねえ、チュピ?」


マルセルは部屋にいる筈のチュピに話し掛けたが、姿が見当たらない。


「あ、あれ?僕、今日一緒に帰って来たっけ?……どこかに遊びに行っても自分でちゃんと帰って来るから、あまり気にしてなかったけど…。
でも、もう夕方だよ?……どこ行っちゃったの?」




初めての事態にマルセルは青くなり、慌てた。
そこへ―――――。








「マルセル様、只今、聖獣の宇宙から連絡がございまして…」

「えっ?な、何?今チュピがいなくなっちゃって、それどころじゃないんだけど」

「あの、その事で光の守護聖レオナード様よりご伝言がございます」

「はっ?えっ…?な…何で?」

「何でも、レオナード様の後を着いて聖獣の宇宙まで行ってしまったそうです。
『今、手が離せないから、飼い主に迎えに来させろ』との事です」


伝え終えた補佐は行ってしまった。





「あ……。レオナードの所へ?チュピが?いつの間に?」





首を傾げながらも、急いでジュリアスとアンジェリークに許可をもらい、マルセルはすぐさま聖獣の宇宙へと向かった。     








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