リクエスト小説

□★すれ違う心。
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「……クラヴィス、言いたい事があるのなら、はっきり言え。……私と別れたいのなら、そう言えば良いではないか」



荒げてしまいそうな声を必死に抑え、伏せたら今にも溢れてしまいそうな涙を堪え、僅かなプライドによって、やっと持ち堪えているのだ。



「……………」



クラヴィスは何も答えない。何を考えているのか、表情からは窺い知る事はできない。



「……距離をおくのでも、別れるのでも、私はどちらでも構わぬ…。
そなたの好きにしろ……」

「………お前は、それで…いいのか…?」

「……っ!!……構わぬと、言っているだろう!!」




ジュリアスはそう言いきると、執務室から飛び出して行ってしまった。









「……そう…か。…私の…、自惚れだったのか」






一人、室内に残されたクラヴィスは、寂しげに呟いていた。



いつも自分ばかり求めてしまう。
…ジュリアスは拒む事はしなかったが、本当はどうなのか。
自分も恋人に求められているのだろうか。
言わずとも、わかるだろうと言われてしまえばそれまでだが、あまりにもそれでは寂しい。
時には言葉で、態度で示して欲しい。




…そう思うのは、私の我儘なのか…?
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