リクエスト小説
□それはほどほどに………。
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「……ねぇ、レオナードの飲んでるの、何?」
「あァ…?コレか?コレはウォッカだ。かなりキツイ酒だよ」
「……美味しい?」
「ん?…まァな……」
週末の夜。
マルセルはレオナードと付き合う様になってから、毎週の如く彼の部屋に泊まりに来ていた。
遠く離れた別々の宇宙で、それぞれ守護聖として送る毎日。
普段会えない時間を埋めるかの様に、二人きりで過ごすのだ。
「お前は酒は飲んだ事あンのか?」
「えっ?ううん、僕は……。
カティス様にも薦められた事、あるけど…。僕はまだお酒は……」
マルセルの口から出た男の名に、黒いオーラを纏わせるレオナード。
「………レオナード……?」
「…カティスって、ダレだよ!?お前の前の男かァ?」
「……っ何言ってるの?カティス様は、僕の前任だった緑の守護聖様だよ?」
マルセルは半ば呆れた様に答えながら、レオナードの座っているソファーまでやって来ると、彼の握っている酒のグラスを取りあげた。
「…っ……オイ……」
グラスを脇のテーブルにコトリ、と置くとマルセルはレオナードの膝の上に乗り、腕を彼の首に絡める。
「あのね……、大体僕が人を好きになったのって、レオナードが初めてなんだよ?
もう…、わかってるクセに……」
そう言うと、レオナードにちゅっと口付ける。
「………////」
レオナードはバツが悪そうな表情でマルセルを見つめている。
「……そんなにヤキモチ妬く程、僕の事好きなんだ…?」
ふふっ、と悪戯っぽく笑いながら、指でレオナードの唇をなぞる。
「……ったりめェだろ?
お前、ガキのクセして何かすげェ慣れてやがるし、あぶなっかしいンだよ…。
オレ様のいねェ所で何やってんだか、わかりゃしねェ…」
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