リクエスト小説

□とある幸せの中にある不幸
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ある日の午後、宮殿の廊下の先をルヴァが歩いているのが見える。その足取りは軽やかで、いつもより嬉しそうにも見受けられた。


「…めっずらしい事もあるもんだねぇ、あのルヴァが…」


オリヴィエはその後ろ姿を目を丸くして見つめていた。






「…おや…あれはルヴァ様?何か…いつもと違って嬉しそうですね…。あんなに笑顔でいらっしゃるのを私は初めて拝見します」


クラヴィスの執務室の窓からルヴァが外を散歩している姿が見える。ちょうどクラヴィスの所に来ていたリュミエールがぽつり、と呟いた。


「………何か、ルヴァに良い事でもあったか…?」


クラヴィスはリュミエールに問う。


「?いいえ、私には何も心当たりは…」


リュミエールは首を傾げるばかりで、クラヴィスも意味深な笑みを浮かべていた。







中庭でランディとマルセルが真剣な顔で話している。


「さっきオリヴィエ様に聞いたんだけどさ、何だか今日のルヴァ様はご機嫌らしいって言ってたんだよ」

「あっ…!ぼ、僕もさっきリュミエール様にお会いしてその話聞いたんだ。リュミエール様もあんなルヴァ様、見た事無いって仰ってた…」


二人は複雑な顔で見合わせた。





「……それってさぁ……」

「……うん……」
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