Dream(HP)
□ふたたびあう
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七夕のことをふと思い出した。
あれはいいよね。夜空を見つめたり、お願い事なんか書いちゃったりして、なかなかロマンチックなイベントだった。
もっとも、私が日本の七夕を経験していたのはずっと前の話だ。植物を扱う仕事上なかなか手が離せず、最近ほとんど帰っていない。
ここ、イギリスに来て何年になるだろう。ホグワーツに入学してからは七夕なんてほとんど思い出さなかった。
7月といえば夏休みだ。もう休暇真っ盛り、おまけに始業式までまだ1ヶ月以上もある。
今遊び倒さずにいつ遊ぶ。そんな感じで、間違いなく1年で最高の月だと学生の私は断言しただろう。
それが今は、1年で最低の月である。
すごい変化だ。
そこで七夕の話題に戻って思うわけだ。
牽牛と織女、彼らは一年ごとに幸せな再会を迎える。
一方私は、一年ごとに苦悩の再会。
この差はなに?生まれた時代?
それとも世の若者たちに愛と希望を与えた量の差?
そうこうしているうちにドアのノッカーが鳴って、私の心臓は縮み上がった。
なんとか元のサイズに引き伸ばそうと試みつつ玄関に向かう。
さあさあ、来ましたよ試練の日が!