Dream(HP)
□Tea 2
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ある日、男の研究室にノックの音が響いた。
寮生全員分のレポートを提出しに、少女が訪ねてきたのだった。
彼女が当番になったのは学年が変わって以来初めてだったが、例の件でたびたび思案の対象にのぼっていたせいで、そうは感じなかった。
彼女はやや茶味がかった黒髪を伸ばし、背中に下ろしていた。
青いローブに良く似合っている。
まっすぐ彼を見据えて、用件を告げたとき、男は異変に気づいた。
――以前の彼女ではない。
ただ自分の発言に相槌を打つだけでも、教卓越しに判断していたとき以上の変化が少女に起きていることが彼には分かった。
何がどうなったのかは具体的に言葉にはならない。
しかし今や彼女には「少女」というより「女性」という表現の方がふさわしく、
そのことに彼は内心、動揺した。
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