Dream(HP)
□執着と隠匿
1ページ/3ページ
執着している。
そんなことは分かっている。
問題なのは、
それを如可にして行動に出さないようにするか、だ。
***
レイがまだ帰ってこない。
スネイプはさっきまで、いつものように、いやいつも以上に集中して仕事をこなしていた。
その方がいいと思ったのだ。
あと少しでようやく仕事にひと区切りつくのだから、終わってから存分に彼女に構ってやればいい。
しかし、彼女の忍耐が限界に達する方が先だったようだ。
いつまでも相手にされないことに腹を立て、レイはスネイプがまさに採点中だったレポートを引き裂き、あと少しで調合が終わるはずだった鍋をひっくり返した。
「危ない!怪我をしたらどうする!!」
彼は焦ったが、お構いなしにレイは部屋を飛び出していったのだった。
確かに自分が悪かった。それは認めてやってもいい。
しかしホグワーツにいる限り、教師の勤めを果たさなければいけない。
どうしてそれを分かってくれないのか。
彼女をかわいがっているだけでは生きていけないというのに。
「1時間…1時間か」
レイが出ていってからの時間だ。
その間ずっと、スネイプは落ち着きなく部屋を歩き回っていた。
フラフラ動き回る様子は、彼をいつもより更にコウモリに似せていた。
***