Dream(HP)2
□WelcomeBack
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レイが目を覚ましたのは、聞きなれない物音のせいだった。
ベッドから出ておそるおそる音の出元を探ってみると、なぜか教科書の中でしか見たことのないヒッポグリフが家の玄関で待ち伏せていた。
その首筋を撫でていたのは、10年ぶりに見る男。
「レイ」
シリウスは万感の思いを込めて愛しい人に呼びかける。
レイは微動だにせず、彼の顔を見つめてただ目を丸くしていた。
「…本物?」
「ああ。会いたかった」
この時をどれほど待っただろう。
彼はただ心のままに、レイのもとに歩み寄る。
3歩。
2歩。
「ちょっと待った」
あと一歩というところで、レイはシリウスを押しとどめるジェスチャーをした。
シリウスは意味が分からないといった顔で立ち止まり、彼女を見た。
レイは一息吸い込み、
「くさい」
…はっきりと、ありのままを告げた。
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