Dream(HP)2
□バレンタインの罠
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本日、雪合戦日和なり。
東に臨むはスリザリン、我ら西軍グリフィンドール。
「…意外と真面目にやってるわね。また何か変なことやってるんじゃないかと思った」
『私はただグリフィンドールに貢献したいだけですが何か』
雪玉係の少女が作業に没頭する中、ハーマイオニーは横にあった大きな箱に目を留める。
中身を挙げよう。
古びた百味ビーンズ、羊皮紙の切れ端、ローブのフード部分のみ、カエルチョコのカード、つま先に穴が開いた靴下、インク壷、変顔の貯金箱
…要するに、ガラクタ。
「何につかうの、コレ」
『これ?ただ雪玉の中に入れるだけ』
「入れるですって?」
『なんで?普通入れるでしょ』
「普通入れないわよ!」
『石とか土団子とかさ。時々カブトムシの幼虫入れたりして』
「あなたどれだけ卑怯な幼少時代を送ってきたの?!」
そこに、双子が雪玉の補給にやってきた。
「お、もうこんなにできたのか?」
「さすがだ。頼りになるなー」
『でっしょー?もっと褒めなさい崇め奉りなさい』
「貢献したいって言ってた人は誰…ってあなたたち、それ持ってっちゃだめ!」
並べてあったプラスチックの小さなソリごと、本陣に運ぶウィーズリーツインズ。
待ってましたとばかりに、悪ガキ軍団は緑のローブ目がけて投げつけ始める。
明らかにさっきと痛がり方が違う。
『なんだ、ハズレばっかりだなあ。ちなみに一等賞は文鎮です』
「死ぬわよ!いいわ、直接行って止めてくるから…」
「ウィーズリ――ッ!」