Dream(HP)
□Tea 1
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スネイプは自室の壁を見渡した。
一面はむき出しの石壁。
ドアを除いた二面は、天井までの本棚と、ホルマリン漬けの標本。
「楽しいかね。こんなところでティータイムなどと」
「ええまあ、それなりに発見が色々」
カップを口に運んでからレイは言った。
「先生、昨日髪洗ってないですね。ふーけーつー」
「やかましい。徹夜だ」
一刀両断。
「どうせ観察するならそこまで読み取れ」
「あー。目の下の隈はそういう」
「読み取っているなら会話に生かせ!カンに障る言い方をしおって!」
怒りの台詞はあまりにテンポが良すぎたせいで、彼女には「ツッコミ」としか受け取られなかった。
目が輝きながらこのように物語っているのが証拠だ。
…ああ、いつも通りの展開。
「お約束」っていいね…!
先ほどからずっとこの調子である。
彼は豆腐にかすがいを全力で打ちこんでいるのだということに、スネイプはまだ気づいていない。
ただ、自分でこの状況を引き寄せたという後悔だけは充分過ぎるほどしていた。
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