Dream(HP)

□チェーンジ!
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「『転校生』って映画があるんですよ」


 いつものように押しかけてティータイムを始めたレイは、唐突にそれを話し始めた。


「端的に言うと、一組の男女が階段から一緒に転げ落ちたとたんに人格が入れ替わってしまうという」

「下らん。魔法でもそんなことは不可能だというのに、マグルはそんな無意味なことを夢想しているのか」

「私は無駄とは思いませんが?そういう夢想が文明の発達を促してきたんですから」

 妄想力はマグルの能力です、と力説する理由がスネイプには分からない。


「で、考えてみたんです。どうやったら『転校生』が実現可能か」

「またどうでもいいことを」

 聞いていた自分が馬鹿らしくなり、スネイプは紅茶を飲み干した。


「!」


 紅茶の味がしない。

「…コーリ、これは」

「すぐお分かりに?さすが専門家ですね」

 声音がわざとらしかった。

「中身も確認せず一気に飲んだのは失態でしたが」

 レイはにや、と笑う。

「ポリジュース薬です。私の髪の毛入り」

「何を考えている!」

「だから、『転校生』なんですってば」



「お互いポリジュースで姿を入れ替えれば、同じ状態になるじゃないですか!」



「ということで私も飲みます」

「まっ、待て…」

 止めようとしたが体中の血が逆流したような感覚を覚えて、思わずソファに座り込む。

 見る見るうちに自分の手が小さくなっていく。衣服も大きい。

 何より、胸にいつもと違う出っ張りがある。

「…まずっ」

 自分にとまどっているうちに、彼女は飲んでしまった。

「おっと、制服スカートの先生はちょっとね」

 と言って、いつの間にか持ってきていたスネイプのマントを体に巻きつける。



「ふふふ、完成〜」


 鏡でもないのに目の前にいる自分が満面の笑みをしているのを見て、スネイプは失神しそうになった。

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