Dream(HP)
□Tea 2
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――先日、知人がドラゴンの血液のサンプルを送ってきた。
――サンプル?
――貴重な種だけを集めて、四種類ほどな。どれも特殊な効果はないが、上手く使い分ければ薬の効果が上がる。
――それも先生がお調べになったんですか?なんでもできるんですね。
とりとめもなく男は喋った。
目の前の彼女が、
その静かな声で相槌を打ち、
ほっそりした首を傾げて説明を促し、
理解の印にニッコリ微笑む。
それだけで、彼の口から言葉がいくらでもあふれ出てきた。
どうしてなのか自分でもわからない。
それどころか、どうすればこの馬鹿げた雑談を止められるのかすら彼には分からなかった。
思考は停止している。
訳が分からないままに彼は自分の声を他人事のように聞き、
それに反応する彼女の一挙一動足を、ただひたすら目で追った。
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