Dream(HP)

□バックギャモン
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◇1階廊下

 ハリーにからかわれっぱなしなのを放置してまでドラコが得た幸せな時間は、残念ながら長くは続かなかった。


「あ、ハーマイオニーだ!」

 わざわざ呼ぶな。

 心の中で叫びながら止めようとしたが、遅かった。

 本を抱えて歩いていたハーマイオニーは、レイに気付いて手を振った。


「レイ!なぜここにいるの?」

「ドラコがケーキくれるって」

「へえ…」

 栗色の髪の少女は非難するように目を細めた。

「食べ物で釣るなんて原始的ねえ、マルフォイ」

「う、うるさい!ほらさっさと行くぞ!」

「ねえレイ、あなた朝食食べてないんでしょう」

 ドラコは無視して、ハーマイオニーはにこやかにレイに話しかける。

「とっといてあげたわよ。ほら」

「うわー!ベーコンサンド!マフィンにママレード!」

「あっちで食べましょ」

「うん!ケーキはまた今度伺いますので一切れとっといて下さいドラコ!」

「…ああ…」

 負けた。

 腹が減った奴には、ケーキよりも目の前のマフィンがご馳走なのか。

 お坊ちゃんにとって衝撃的な発見だった。



「先に行って場所取っておいてくれる?」


 レイを行かせてから、ハーマイオニーは言った。

「悪いわね、マルフォイ。あんたなんかに渡すわけにはいかないの」

 明らかに勝ち誇った顔だった。

 これだ、この鼻持ちならない態度が僕の知るいつものグレンジャーだ。

なぜレイはこいつの高慢ちきさに気づかないのか。


 ただし取られた事実はかなり悔しかったので、彼ははぐらかして答えた。

「…なんのことだか分からないね」

「そう、ならいいわ。レイは私の彼女だから」

「…は?だってお前は女…」

「女の子って男の子より同性愛に寛容なのよ。知らないの?」

「う、嘘だろ」

「まあそれは冗談としても」

 あっさり意見を翻す。これだから女は怖い。

「他の男に渡すぐらいなら、っていう覚悟があるってこと」

 ハーマイオニーは堂々と言い切った。



「いい?並の男には、レイは絶対渡さないわ」



「…僕が並の男だって?」

 当然彼には、そうではないという自負がある。

「いい度胸じゃないか、グレンジャー。証明してやる」

「望むところよ!」




「ハーマイオニー、遅いなぁ…」

 話題の人はひとり中庭の一角に座り、バスケットに手をのばそうかどうか迷っていた。

「……まだ−?」






◇ドラコ…更なる障害・2マス戻る

◇ハーマイオニー…この子は私が守る・3マス進む

(特殊効果・同じマスに止まった男キャラは出た目の数だけ戻る)

◇レイ…おあずけはいつ終わるのか・一回休み

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