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a due(現パロ)
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・【!】現代パロディ【!】
・佐助×かすが
・最中描写無し/事後描写有り
・「ボコ題2」使用

a due … 一緒に、二人で

苦手、不快な方はスルーして下さい。
宜しくお願いします。

01“気に喰わない”
 

金の髪の歌姫がバーで歌う夜、最近決って橙色の髪の男が一番後ろのカウンター席に座る。
その男は観客の中で群を抜いて不真面目な癖に楽屋にしょっちゅう顔を出し、終演後駅へ行く歌姫と夜道を一緒に歩いた。
我知らず眉根を寄せてしまったらしい。
最前列のテーブル席の客が怪訝そうな顔をする。
そのうちの二、三人にだけ極上の笑みを浮べて操なし、今宵も歌姫はスポットライトの中透き通る歌声を披露した。
一曲歌い終る度にバーテンダーと談笑するカウンターの橙色を無意識のうちに目の端で捉えてしまう。
(またか)
チリッと胸がささくれ立った。
ファンだと言う橙色が真面目に歌を聴く様子は今夜も無い。
舞台から見えるのはいつも後ろ姿だけだ。
照明が落ちた薄暗い客席からほぼ全ての顔がこちらを見ているが、橙色だけはなかなか振り返らない。
普段より心情を込めてこの曲を歌ってしまうのは、手の届かない恋をテーマにした歌だからだと自分を誤魔化す。
最後の曲を歌い上げると拍手喝采に紛れて橙色の笑う声がステージまで聞こえて来た。
(いつもいつも、お前は歌を聴きに来たのかバーテンと話しに来たのか 一体どっちなんだ)
苛立ちは頂点に達し、歌姫は今度こそ橙色を真正面から睨み付ける。
しかしやっと目が合った相手は歌姫の熱い視線を独占出来たと勘違いしたらしい。
だらしなく鼻の下を伸ばし、おまけに小さく手まで振っているではないか。
歌姫の中で何かが鈍い音を立てて切れた。
(ああもう、お前のそう言う所が気に喰わないのがどうして分らないんだ!)

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