過去小説
□兼続より愛をこめて…
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あいつからの手紙…どれだけ溜まっただろうか…
初めてお互いの存在を知ってから数年…
気が付けば手紙のやりとりをした回数は数知れない。
愛の人こと、直江兼続。
昔の手紙を読み返し、ぎゅっとその手紙を抱き締めていた。
まるで手紙の送り主を抱き締めるかのように…
彼が近くに来ている…
(やっと逢える)
与六として接してきた兼続。
佐吉こと三成との手紙のやりとりは、時に恋人同士のようになっていた
「あなたに逢いたいです」
そんなやりとりは恋文にすら見える
過去の手紙を読み返し、再び頬を赤くする兼続だった。
越後の落水城。
三成は秀吉と共にそこに滞在しているという。
(逢いにゆかねば…)
私利私欲のためではない。
上杉家のためにも主である景勝と共に落水城へと向かうべきだと…そう判断した。
(三成…やっと逢えるのだな)
胸がどきどきした。
(これが…恋なのであろうか…)