遊戯語り
□セントニコラウスの花嫁
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数時間して充電が終わったのか本格的に動き出した彼女は、
俺に襲いかかって来ました。
「…………!!」
『うわー!?』
なんとか止めたけど、えらい力だ。この娘もしかして戦闘型か。
『ちょま……落ち着け!!』
全力をかけて抱え、じたばたするのを押さえ込む。
「……」
大人しくなった。恐る恐る離れてみたら、手首のコードをまじまじと眺めていた(ように見えた)。
「……?」
俺を見てゆっくり小首を傾げるから、頷く。
『ん』
「……」
ぺたり、と。
ささやかに温かな鋼が、胸に寄り添って来た。
(ええええ)
すりよる。抱きつく。
どうやら彼女は感謝の意を表しているらしい。
……ちょっと可愛い、と思ったのは、きっと麻痺した日常のせいだ。
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