遊戯語り
□サクラノアカツキ
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「それ」は、真神の《転校生》と出会う直前の話になる。
いつものように汚職政治家の粛正を終え拳武館に戻ろうとしていた僕と……今はもういない八剣は、体に浴びた返り血もそのままに君と鉢合わせてしまった。
『……拳武館の、制服……?』
その時君がそう呟いたのを、八剣が聞きつけなければ。……僕が、制し切れていたなら。
嬉々とした殺人狂に、君が「口封じ」をされる事もなかったのに。
「――――っ」
体が動いたのは、白刃が閃く直前で。
蹴りあげた刃は、威力を減じたものの君の脇腹を易々と切り裂いた――――。
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