SHORT

□かいどう
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「ねえねえ、ちょっといい?」


私に声をかけたのは
美人で有名のあの子


ちなみに今まで一度も話したことない




「なに?もしかしてあたしリンチされる?」

「ちがうよ
あのさ、海堂君と仲良いよね」



彼女の口から飛び出す

奴の名前


なんか違和感を感じる



「仲良いのかな、テニス部だし。」


「好きなの?」




…スキナノ?



好きなんだろうか
でもたぶん彼女が言うような
そうゆう所は越えてるんだろうよ



「そんなんじゃないよ、一緒にいて楽なだけ」




そっか、と
彼女は安心したように呟いた



「これ渡してほしくて」

「…流れ的にラブレター?」

「あたり。お願いできる?」

「いいよ、渡しとく」





…こんな可愛い子
あのマムシにゃ勿体ない










☆★☆★



「…ってことで頼まれてきた」

「…はあ。」




ラブ・レター。


本で読んだことはある

先輩達が貰ってるのを
見たことがある



「…俺にどうしろと…」

「…付き合ってみれば?
可愛いじゃんあのこ」

「…オイ」

「電話する?」



奴の名前を表示したディスプレイを
ちらつかせるこの小娘


「スマン」



携帯を受け取って
通話ボタンを押した




『もしもし』

「…海堂だ」

『…え、番号、』

「携帯借りてるんだ」

『あ、そっか』

「その…折角手紙貰ったが、俺は部活のことしか頭にない。」

『うん、そうだよね』

「スマン」

『あ、あのさ』

「何だ」

『携帯借りてるってコトは今傍に、』

「いる。代わるか?」

『ううん。いや、好きなのかなって。』

「は?」

『だから、』

「楽なだけだ。」

『…そっか、わざわざ電話ありがとう』

「いや…」

『じゃあまた明日』

「失礼する。」




★☆★☆



電話中私は
ちょっと離れて様子を伺った


海堂は困ったような顔をしたり

首を捻ったりしている




「断っちゃったの?」

「当然だ」

「面白くねーの」

「テメェ人のこと何だと思ってる」

「きゃー海堂くんが怒ったー♪」










云うならば、空気
心地好いきみとの関係




次の日あの子がにっこり笑って


二人は似たもの同士ね、と言った。










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