DReaM
□カラバトDE焼肉
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深い青がかかったような夜空。
キィィンっ
その下に響き渡る金属音。
ズザザーッ
『今だっ!!』
『はあぁっ!』
バコォォンッ
オディールは宙返りをしてから地面に着地した。
『ひゅーっ!かっこいぃーっ』
『…』
コイルが声をかけるが、オディールはそれに全く耳を傾けず、黙って空を見上げた。
…
『お疲れ様です師匠っコイル様っ』
リオンが姿を現した。
『おうっリオン!どうだ…体の調子は…?』
リオンは、5日前の戦闘中に敵の攻撃を受けて高熱を出していた。
最初はキャロルを中心にコイルやリズ(ロイ)が看病していたのだが、すぐにオディールがやって来て、リオンの姿を消した。
(リオンが姿を消している時にいる異空間に飛ばして回復させた)
『こっちのほうが早い』
などとは言っていたが、その場にいた者達はみな心配だったんだろうと口を揃えて言ったものだ。
『はぃ、もう大丈夫です。すみません…ご迷惑をおかけして…』
リオンが一瞬だけオディールに視線を移したが、オディールはまだ空を見上げていた。
『大丈夫だって!それよりさぁっーどっか飯食いに行こ!』
『えっ?』
『は?』
『そだなぁースタミナつけに焼き肉とか!!なっ行こうぜっ』
『…急に何だお前は…』
『リオンの復帰祝いだって!今日くらいおごってやるからさぁーなっ!!』
『行くわけな…』
ガバッ
一瞬でコイルがオディールを持ちあげて走りだした。
『ぇっコイル様!?』
『ほら行くぞリオンっ早く来いよ!』
ボカッ
『ってぇぇぇ!!何すんだオディールっ』
『こっちのセリフだっ早く降ろせ!』
『降ろしたらお前逃げるじゃん』
『あたり前だろ!私がそんな所に行くわけっ…』
『あらぁ?楽しそうねぇ。』
どこから出てきたのか、キャロルが姿を現し、逃げようとするオディールの顔を覗き込んだ。
『せっかくだから行きましょうっねっ^^』
『私はっ』
『ねぇ?』
『…』
オディールはいつも通り大きなため息をついた。
『リオンくーん早くいらっしゃぁーいっ!オディールも行きたいってー!』
《言ってねぇだろ…》(オディ)
『ぁっはぃー!』
《??キャロル様…?いったいどちらから…^^?;》
『んじゃ決まりなっ行くぞっー!』
コイルが先頭に立って歩きだした。
オディールをかついだまま…
『っんのおろせっつってんだろっ!』
ゴキッ
『ぅぎゃぁぁぁっ!!』
コイルの悲鳴は、この広い夜空にさっきの金属音よりもずっと遠くまで響きわたった。