3Z・パロ

□君の罠
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銀魂高校、放課後廊下。
俺は今、足早に自分の教室へと急いでいた。

「随分待たせてるよな、これ。アイツもう帰っちまってるかも。」

長年使い込んでる腕時計に目をやり、盛大な溜息をつく。
あれからもう、1時間も経ってやがる。





*******

今からちょうど1時間前のこと。今日の予定を全て終えた俺は、放課後委員長の会議があったことを思い出し近藤さんを探した。

しかしあの人は、毎回志村姉を追い掛け真っ先に教室を飛び出して行く。
今日も近藤さんは元気に殺られに逝ったようだった。

その結果こちらもいつものごとく俺が会議に出席する羽目になるし。
全く、ストーカーもほどほどにしてもらいたいものだ。

持っていた鞄を降ろし、教室を出た所でトイレから帰ってきたらしい総悟とすれ違った。
総悟は何処に行くのかと聞いてきたが、こっちは時間がなかったので教室で待っているよう一方的に伝える。
やべェ。本気で遅れちまう。
集合時間まであと3分。
背中で総悟の文句を聞きながら俺は駆け足で廊下を急いだ。




そしてあれから一時間。
委員長会では遅刻者が続出し、俺の駆け足は無駄に終わった。結局始まったのは予定より15分遅れ。会議の内容も通常より濃かったため一時間の長丁場となってしまった。


そして今、理由もろくに話さず教室で待たせてしまっている(多分)悪友の元へと俺は急いでいるところだった。


「悪ィ、総悟!待たせちまった...な?」
ドアを開けながら来たるべき罵声に備えていた俺は、予想外の光景に思わず言葉を疑問系にしてしまった。


「寝てやがる...」

S星から来た王子は俺の机で腕を枕にし眠っているようだった。しかも珍しくいつものふざけたアイマスクも着けずに。
久しぶりに見た素の寝顔に興味を持った俺は、そっと近づき隣の席へと腰を降ろした。




窓から夕日が差し込み、総悟の髪をキラキラ輝かせている。
その光景が妙に綺麗でそして非現実的で、俺は知らず知らずため息を零した。




いつからだろう。コイツをこんなに好きになったのは。
物心が付いたときから俺はコイツが好きだった。
なんで俺らは男同士なんだろう、と本気で悩んだ時期もあったくらいに。




でも今俺は、コイツが男でも女でもどうでもよくなっていた。
総悟という存在が俺の隣にいること。それが俺にとって一番大切なことで。
だから、いくら叶わぬ恋だと知っても、無駄な恋だと分かってても俺が好きなのは昔も今もコイツだけだった。
そしてきっとこれから先もずっと−−−−

「総悟が好きだ。」




自分の呟いた言葉で我に返った俺は、口を滑らせたことに気付き思わず総悟から目を逸らす。
絶対に聞かれちゃならない言葉。
総悟が寝てたのがせめてもの救いだと思った。






「誰が寝てるって?土方さん。」

後ろから聞こえた聞き慣れた声。
俺は慌てて後ろを振り返った。
起き上がったところで一つ伸びをし肩をぐるぐる回しだすソイツ。
全く動揺も見せず普段通りのその姿は、とても重大事実を聞いた奴には見えなかった。

「お前いつから起きてた?」
「アンタが教室に入ってきたときから。
それより土方さん...。
アンタ俺のこと好きなんだってねィ?」

...聞かれてた。
呆然とする俺。流れる沈黙。




すると目の前のコイツは突然、何かが切れたように腹を抱えて笑い出した。

「ぷっ、あははははっ!!
土方さん、見事に俺の思った通りに動くんですねィ!!
アハハ!!あー。おかしー!!」
全く状況が理解出来ない。
突然笑い出したコイツに、疑問だらけの俺。
明らかに温度差があることに気付いた総悟が、一通り笑い終えた後、ご丁寧に説明をくれた。

つまり簡単にまとめるとこうゆうことになるらしい。
コイツは昔から俺が自分のことを好きなのを知っていた。しかしいつまで経っても俺が言い出さないことに焦れ、いつも言わせるチャンスを伺っていた。そして今日、俺を待ってるうちに寝てしまった総悟は、俺が教室に入って来る音で目を覚まし、寝起きの頭で考えた。俺がこのまま寝たフリをしていれば口を滑らせるかもしれない。

「んで、試しにやってみた結果、ヘタレ土方は期待通り罠にかかってくれたって訳でさァ」

突っ込みたいことは山ほどあった。何で俺が好きなことを知っていたのかとか、寝起きの頭でそんだけ考える能力があるなら朝もっと早く起きてこいだとか。
でもそれより気になったことは、

「テメーはどうなんだよ、総悟。」

「は?」

「俺にばっかり気持ち言わせといて、お前の聞いてねェ。」

「あり?もうとっくに分かってるもんだと思ってたんですけどねィ?」

「言われなきゃわかんねェよ。」

いつもより少し強い俺の口調に、もう何を言っても無駄だと諦めたのか、総悟はごまかすのを止めた。


それから俺の顔をじっと見つめた後、少しの間を置き意を決したようにその言葉を紡ぎだした。



「大好きですぜ...。土方さん」












どSで、生意気で、素直じゃないコイツ。
でも...どSなのも、生意気なのも、素直じゃないのも全部含めて、俺はお前が好きだから−−−




「上出来。」


朱い光が教室全体を包み込む中、俺はお前にキスを落とした。


******
文が支離滅裂orz
誰か私に文才を下さい。



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