赫キ鬼ノ行進
□序曲
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―薄紅に染まる私は黄泉桜
今宵咲き乱れ
彷徨う御霊送りましょう―
月が輝く満月の夜
桜の木が見える屋敷の縁側
とても透き通った声が響く
―地に縛り縛られるその心を解き
別れを惜しむ事なきよう
美しき華咲かせ
次なる旅路へ向かう彼等の餞に―
そんな彼女のもとに静かに男が近づいてきた
―残されること嘆きその未来を呪い
悲しみの底沈まぬよう
美しき華咲かせ
薄紅色を今宵も彼等に届けましょう―♪
「月影…」
月影と呼ばれた少女はゆっくりと振り返った
絹糸のような赤い髪に
雪のように白い肌
まだ幼さ残る顔立ちは整っている
『銀…どした?』
銀「いや、散歩してたら月影の歌う声が聴こえてな」
そう言って少し笑いながら銀時も縁側に腰掛ける
『そう…』
ひとつ間が空いたあと月影が口を開いた
『戦…続く…終わる…思う?』
銀「…さぁな」
銀時の素っ気ない答えに少し顔をしかめる
銀「まぁそんな顔すんなって;
…だが戦が終わったらやりたい事をすればいい」
『やりたい……事?』
銀「あぁ…
例えばーーーーとかな」
これは少し前の会話
赫鬼と白夜叉のはじまり
そして時は流れる
→アトガキ