えるりっく君ち
□二人乗り
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『二人乗り』
「兄さ〜ん行くよ。」
「おう。」
体育祭で捻挫したエドワードはアルフォンスの自転車に二人乗り(学校の近くまでだが)で登下校している。
「アル朝練いいのか?」「大丈夫。」
「放課後の練習は?」
「みんな体育祭の事知ってるから大丈夫だよ。兄さんは部活出たいよね?」
「いや、あと何日かじっとしてりゃ治るだろ。それにアルと時間会わないし。」
「待ってるよ?」
「いいって。おっ!坂だ!がんばれ〜アル。」
「よし、じゃあ立ち漕ぎするからつかまってて!」
二人を乗せたママチャリはさすがに重いのかキイキイ音を立てる。
「あと少し!」
「あ、と…すこ…しっ!」
坂を登りきって、息のあがったアルフォンスは片足をつきエドワードを振り返る。
「重いよ〜兄さん。」
「重い方がトレーニングになるだろ?足腰鍛えんのが基本だ。」
「はいはい。じゃ下るよ。」
時々ブレーキをかけたりはなしたり、緩い下り坂をゆっくり下って行く。下り坂の先は踏切。
「あぁ、ちょうどひっかかったか〜。」
「残念。でもボクはひとやすみ。」