分家

□キャットピープルの恋人<狼の憂鬱>
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『キャットピープルの恋人』<狼の憂鬱>


オレはエドワード。
オヤジが狼男でおふくろがキャットピープルという、モンスターハーフだ。
満月の光を浴びるとキャットピープルに変身するけど、それ以外は普通の人間として暮らしている。

オレにはアルというひとつ下の弟がいる。
弟はオヤジの血が濃いらしく、満月の夜には狼男に変身する。
鋭い爪も尖った牙も、オレにとってはかわいいワンコだ。
アルは狼男に変身することを必死に隠してたが、部屋に落ちていた毛や、こっそり捨てられた破れた服から気づいた。

オレはアルを愛してる。
小さい頃から強度のブラコンだなとは思ったが、自分がキャットピープルに変身して性欲がピークに達すると、いつも求めている相手はアルだった。
他の誰を想像してみても、アル以上に興奮する相手はいなかった。

だから去年の満月の夜、アルの部屋に入って変身させて、オレはあいつを手に入れた。
変身時は異様に興奮が高くなる。ましてや変身間もない男は尚更だ。
卑怯な方法だったかもしれないが、それでもアルが欲しかった。

その後、ハロウィンの夜、アルが『変身してない姿で抱きたい』って言って来てからは、満月の夜以外もセックスする様になった。

何度も言うようだが、オレはアルを愛している。
ただの性欲処理相手とは思っていない。

ただ、面と向かってそういう事を言うのは、こっぱずかしくて伝えてないだけだ。
アルもなんとなくわかってるだろうと思ってたんだ。


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