Novel 2

□道標
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少し開いた窓から風が入りカーテンが揺れている

春にしては少し高い気温だがこの温かさは丁度いいと思った



壁一面が白く窓側にベッドがおいてある


枕元には花が飾ってあった

多分真田が飾っていったんだろぃ?


そしてベットには・・


赤也が眠っていた


凄く穏やかな表情で・・

真田が

『起きんか!!たわけがァァァァ』

って言えばいつもみたいに飛び起きそうなくらい



でも身体全体には色々な機械がついている・・


ピ・・・ピ・・・ピ・・・ピ・


規則正くなるあの嫌になりそうな音・・・


まるでカウントダウンをされているようだ


『・・・・赤也・・今日も来たぜぃ?』


そんな問い掛けに


赤也は何も言わず

ただ寝ていた


『おぃ・・折角先輩が来てるんだから返事くらいしろぃ・・』



どんなに呼び掛けても返事が返ってくることはない・・



『・・なァ・・赤也


お前は俺を恨むか?


こんなにした俺を恨むか?』


赤也が寝ている理由・・


それは俺をかばって階段から落ちたからだった・・


たまたまその日は湿度が高く

廊下などが滑りやすくなっていた


わかっていた

わかっていたのに早く赤也に会いたくて・・


会いたいいっしんで階段を駆け上がっていた所前から来た奴とぶつかってしまった


普段なら踏ん張れたはずなのに今日に限って滑りやすく階段から落ちた所を赤也がかばって下敷きになってくれた・・


あの時・・


打ち所が悪く・・


赤也は寝たきりになった



・・・植物人間だ






自分のせいだ

あの時・・もっと注意していたら未来は変わっていただろうか?



少しでも赤也をかばう事が出来ればまた一緒にテニスをする事が出来ただろうか







俺がいなければ赤也は笑っていただろうか
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