BooK

お前だけだろ
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「ねえ丸井先輩、
お返しくれるかな」
「大丈夫だって、
きっと部活の時に
渡してくれるよ」
朝廊下を歩いてい
ると2年女子の声
が耳に入ってきた
馬ー鹿。折角もら
えたチョコでも俺
から渡すとなれば
違ってくんだろい
間違いなくゆめに
しか渡さないつも
り。まさかのまさ
かでゆめに貰えた
とか俺神じゃね?
完璧に友達として
しか見られてない
と思ってたから、
期待しないように
してたのにさ。 
可愛くラッピング
してあったチョコ
は真面目にうまく
て惚れ直した。つ
か顔赤くしながら
"本命だからね?"
なんて可愛いすぎ
んだろい。抱きし
めて"俺も超好き"
って言えば抱きし
め返してきた。あ
あやべえ、付き合
って一ヶ月でも俺
あいつとキスでき
てねえや。今日し
てやろ、絶対。 
「おはよブン太!」
「うわ!は、はよ」
いきなり肩を叩か
れたと思えばゆめ。
今渡しちまうか。
「あのさゆめ「ああ
あああーー!!!!」
「な、なんだよ」
「あたし今日日直
なの忘れてた!!」
いやいやそんなの
どうでもいから。
そう口にしようと
したのにゆめはも
う俺の隣じゃなく
て職員室のほうへ
すっ飛んでいった
「どんまいじゃブ
ン太。」    
「…仁王かよ。」
「まあ渡すのなん
て部活の帰りでも
いいんじゃなか?」
本当にゆめ依存症
じゃのう、とか珍
しく眉を下げる 
仁王。     
「うるせえよ。」





「以上で解散!!」
幸村君の引き締ま
った声で終えた部
活。何故かゆめは
部活を見に来なか
った。いつも来る
のになんでだよ。
ゆめの家に行く途
中、ポイ捨てして
あった空き缶がう
ざったくて蹴ると
野良猫に当たった
おいそんな。タイ
ミングよすぎだろ
い。      
「やっと着いた」
ゆめの家の前まで
来てインターホン
を押す。親いたら
どうしよう俺。 
「はーい!…って
ええ!ブン太!」
「ええ!ブン太!
じゃねえよ!」 
突然俺が来て驚い
たゆめ。いやいや
俺は部活見に来な
かったお前に驚く
からな。    
「お前なあなんで
部活来ねえんだよ
超待ったぜい!」
「ご、ごめん…」
「朝も日直とか言
っていっちまうし
よう…。もしかし
て…避けてる?」
そうだよ避けてる
よ。そんなこと言
われたらしばらく
立ち直れねえ‥。
「違う、よ。あた
し…ブン太が朝に
女の子からお菓子
もらってたの見ち
ゃったから嫌だっ
たの。部活だって
見に行きたかった
けど。お返しない
のかなとか…思っ
ちゃって、って、
うわ!」    
ゆめを引き寄せる
とすっげーいい匂
いがした。   
「ばーか。腹減っ
てたんだから仕方
ねえだろい。つー
かお前にちゃんと
お返しあるし。」
ほら、って差し出
すと表情が一変し
た。かわいんだよ
このやろう。  
「ありがとうブン
太!!」    
「あたりめーだろ
い。なあゆめ。」
「ん?なに?」 
耳元に口を当てる
「お菓子は貰って
も俺がお返しする
のは彼女のゆめだ
けだから。」  
ゆめの顔を見ると
真っ赤だった。 





(指輪もあるとか‥)
(お揃だからちゃん
と大事につけろよ)
 
 
 
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