TREASURE

□裸の王様
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「なぁ。なんで俺ばっかり脱がされなきゃなんねェんだ?」

サンジの愛の施しを受けながら、ゾロがふと呟いた。

「なんでって‥」

ゾロに言われるまで気付かなかったが、確かに間違ってはいない。
こうやってゾロを愛している時も、2人が繋がっている時も、ゾロだけが全裸なのだ。
特に理由もないし、一々理由なんて考えてもみなかっただけに、サンジの言葉は詰まってしまう。

「何。急に」
「やられっぱなしってのは性に合わねェ」


「あ…、俺の裸見たいワケ?」

耳元に低い声。
性感帯を熱っぽい声で刺激され、しばしの間ゾロはその余韻にうっとりする。
が、サンジのとんでもないアホ発言に間髪入れずに反撃した。

「は?!バカ!違ェ!誰がそんな事!」
「またまたー。ホントは脱がせたいんだろ?」

何度も訂正するゾロだが、本人も抵抗は無駄だと薄々感じ始めていた。
皮肉にも体は程良く赤み、必死に「違う」と訴える目も潤っているのだから、説得力などあったものではない。
サンジにしてみれば、遠回しに誘われたと思わない方がおかしいのだ。

「もう知らん!誰がそんな事するか!」
「へぇ。ココ、こんなんなってんのに?」
「っ!やめ‥」

みだりな手つきで撫でられたのは、持ち上がったゾロ自身。
今日初めて触れられたそこは、サンジの愛の施しにより質量を増しつつある。
扱くわけでも握るわけでもない、もどかしい接触だというのに、滴ってしまう欲望の蜜。
なんともしがたいじれったさに、ゾロは荒らげた息混じりに声を上げた。

「オィ、触るなら触れ、よ‥」
「なんで素直に言えねェかな」
「サン…ジ」
「クソ‥」

その淫らな響きに揺るがない理性など、勿論サンジが持ち合わせているわけもなく。
自分の服を脱がせるという条件で、ゾロは言葉攻めから解放された。

ゾロが服を脱がせている間も、快感は止むことなく与えられる。
甘い痺れに翻弄された体では、ネクタイはおろかシャツのボタンすら満足に外せない。
それでもおぼついた手つきで手を掛けていけば、透き通ったサンジの肌が現れる。
スルリとシャツを下ろせば、筋肉の付いた華奢な体が現れる。
それらに優しく触れる度、閉じた口から時折漏れるサンジの声。
唸るような、ねだるような響きがゾロを更に麻痺させた。

「っ、‥ん」

それに気を良くしたのか、ゾロは目の前の裸体の所々に紅い印を付けていく。
所々赤みを帯びたサンジの胸板を見つめてしまうのは、透き通った白のそれしか見たことがないからであって、決して見惚れている訳ではない。
そんなことを頭で考えながらも、好奇心からか再びその印を増やしていく。
サンジにしてみれば、そんなゾロはもっと虐めたいという欲望を膨らませる要因にしかすぎなかった。

「こんなに俺のコト焦らして、後でどうなるかわかってんの?」
「知るか」

「へぇ。‥泣かすよ?」
耳元に吹き込まれるサンジの言葉に慌てたのか、翻弄されたのか‥。
ゾロは慌ててベルトを外し、ファスナーに手を掛ける。
不自然に盛り上がったそこに良い予感はしなかったが、ゆっくりとサンジのボトムを剥がしていくと、ゾロの鼓動がまた一段と速くなった。
窮屈から解放されたサンジ自身は、あっという間に張り詰めてしまうのだから…。


汚れた下着と膨らんだ欲望に、ゾロは目までも犯される。
そこから目を反らしてしまうのは、一瞬でも『いつもコレが自分を‥』なんて頭を過ぎってしまったたからだ。
ゾロの思考は今までされたあられもない行為でいっぱいになり、その行為と目の前の下着1枚の男とがリンクしてしまう。
きっと、今のゾロにはサンジの下着を脱がせる事なんて、頭の隅にも残っていない。
案の定ゾロの手は止まってしまった。

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