小説
□日本のお悩み
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「にほ〜ん!」
イタリアは日本の居る和室へとやってきた。
和室の主である日本は机に向かって何かをかいていた様だ。
日本はイタリアに気付くと、振り向いて
「あ、イタリア君。どうぞ適当に座って下さい・・・」
そう言うと再び机に向かってしまった。
「日本、なんか疲れてない?どうかした?」
鈍感なイタリアですら分かるほど、さっきの言葉には疲れが表れていた。
「・・・・・分かりますか?」
「うん。目の下くま出来てるし。」
イタリアは日本の横まで移動した。そして机の上を覗き込んだ。
机の上には白紙のA4用紙が広がっていた。
「何これ?紙だらけだー」
「新刊の原稿用紙ですよ。昨日から全然作業が進んでいませんが。」
「・・・・・ヴェー?」
日本の言う『新刊』の意味がイタリアには分からなかった。