Novel.V

□気づいたら恋
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自分とは違う甘いかおり

自分とは違う白い柔らかな肌

自分とは違う繊細で硝子のような


「冬海」


うしろから彼女を呼べばビクッと小さな身体が跳ねる。
彼女のその反応に可笑しくて小さく笑うと彼女は真っ赤な顔。

「つ、土浦先輩」

出会った頃じゃ考えられない。
冬海は俺に怯えて…というか男とまともに会話なんて出来ていなかったから
今じゃかなりの進歩だ

「なぁ冬海」
「はい」

気付いたら俺は彼女を目で追うようになっていて

気付いたら俺はおちていた。

らしくないことなんて百も承知。
色恋沙汰はどうも苦手だ。

でもなかなかに彼女は鈍感で狙う野郎が多いから

「…あ〜…なんていうかな」
「はい?」

君を守りたい

君を奪いたい

君に愛されたい

なのに口下手故にうまく伝える術を知らないから

「今度二人で練習しねぇか?」

ゆっくりと
ゆっくりと

君にアイシテルを伝えていこう。


いつか俺だけの君になる日まで

「はいっ喜んで」

気づいたときには君の虜。

〜 END 〜
 

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